ぴらにやカフェ

神戸・春日野道商店街の焼き菓子カフェのブログ

足跡がなくなるということ

 3月の終わりに、とうとう文化学院が閉校してしまいました。

 まあ、母校なんですけど、変わった学校というか、芸術系なんですけど。

 補足説明しますと、上のリンク先の文化学院と、ボクが通ってた文化学院とは違う、というか、名前は一緒なんですけど、御茶ノ水から両国に移転した時点で、いや、もっと言えば、よくわからない会社が経営に参加してきた時点や校舎を取り壊した時点で、文化学院の精神性やらがずいぶんと変わってしまって、ふつうの専門学校に落ちぶれた、っていうと今の在校生とかには失礼だけど、まあ、違うんです。

 文化学院の雰囲気をすごく捉えられてるブログがこちらなんですけど・・・

 

ancomochi.hatenablog.com

 

 

 まあ、まったく面識がない方のブログを貼り付けましたけど、ほんとこんな感じの学校でして、ボクはここで演劇とフランス語を学んだんですけど、授業内容よりも精神性みたいなものが、いい感じに心や体にまとわりついてて、ふとした時の行動指針になったりします。「小さくてもよいもの」とか。

 

 主に演劇関連の授業を選択していたんですが、授業の内容に関してはちょっと古い、というか少なくとも最新ではないな、というのも、ボク個人は文化学院入学前後から演技の世界を少しかじっていたので、そう感じながらも一応まあまあ真面目に授業を受けておりました。ダンスだけはこの授業内容は古すぎるだろ、というのと苦手だったのでほぼ行かずで単位落としたかな 笑

 狂言とかの古典芸能はまったく知らない世界だったので、すごく楽しくて、野村万作先生だったんですけど(本人は数回来ただけで、あとは弟子が教えに来てた)、やーなーぎーのお、しーたーのおー、とか発声しておりました。今の生活においてはまったく役に立ってないし、狂言とかまったく観に行ってないけど。

 

 演劇と並行して学んでたフランス語は、後々の2000年のパリ滞在、ヨーロッパ放浪の時に役に立ったような役に立たなかったような、わからんけど、フランスとベトナムのハーフの子の(正確にいえばその子の姉の)モンマルトル近くのアパートに転がり込んでから飛躍的に上達したから、でも基礎的なことは文化学院での授業のおかげと思います。たぶん。単位は取れてたはず。←これもたぶん。

 

 ボクの文化学院=演劇とフランス語なんですけど、今のぴらにやカフェでは、学んだことはさっぱり役立たず、まったく関係ない感じですね。

 パリでお菓子を習ってきた!とかなら箔が付いていいんでしょうけど、まったくそんなことはしてなくて、そもそも後々カフェ経営するなんて予想もしてないので、ポンピドゥの前で色紙に漢字を書いて外人(いや現地人やな、そこでは)に売ったり、日本から持ってきたラジカセでストリートライブしたり、パリ1区のジュンク堂掲示板(ネットじゃなくてリアルな掲示板ね、駅とかあるやつ←今はあんまし見ないけど)に貼ってる引越やら映画のエキストラのバイトをしたり、ベトナム人がやってる中華料理店でお手伝いしたり、とお菓子とは関係ない生活してたから、パリでフランス菓子とか食べたこともないし買ったこともない。

 唯一、ベトナム人がやってる中華料理店でバイトしてた時に、ヌガーという、ピーナッツと砂糖と牛乳を鍋で煮てから型に入れて冷やして固まったら包丁で切るというお菓子は作るのボク担当でやってたけど、これフランス菓子でもないな。

 パリでお菓子作ってました!と言えるけど言えんよな 笑

 

 パリの話に脱線しましたけど、まあ、文化学院で学んだことは、今現在はまったく役に立ってないけど、精神性みたいなものはいつまでもボクの心の中に残るでしょう。

 

 ああ、今回のブログのタイトルが、「足跡がなくなるということ」ですけど、さらにもう一つ・・・。

 

 ampmっていうコンビニ、ご存じですかね???

「あるといいのがある」っていうキャッチフレーズのコンビニだったんですけど。

 10年ほど前にブランドごと消滅した会社なので、知らん人もおるやろな・・・。

 

 お客さんからよく聞かれる「なんでぴらにやカフェって名前なんですか?」の次に多い質問、「カフェやる前は何してたんですか?」なんですけど、ampmで働いておりました。

 ampm関西でしたので、親会社は近鉄だったんですけど、それが牛角とかやってる会社に買収されて、その次はかっぱ寿司にまた買収されて、最終的にはファミリーマートに買収されて、ブランド消滅したんですね 笑

 ボクは消滅前に退社してぴらにやカフェをはじめてましたから、消滅後の話は知らないんですけど、やっぱり、「あるといいのがある」から「あなたとコンビにファミリーマート」って毎朝100回言え!とか強制されたのかな、残った人たちは 笑

 まあ、前勤めてたブランドはすでにないわけであります。

 

 足跡がなくなるということ。

 

 出身校は?「消滅した」 前職は?「消滅した」

 ぴらにやカフェは?「消滅しないように頑張ります・・・」

 

 「ぴらにやカフェは永遠に破滅です!」

 永遠と破滅、相反するコトバが美しいのですが、これは、文化学院の先輩でもある石井竜也さんが米米クラブ解散時に言ったコトバ(米米クラブは永遠に破滅です)なので、パクリになるから使えない。

 

 足跡がなくなる時に、何かいいセリフがないと、消滅もできやしないですね!